a.o独白ブログ

詩や創作文章を公開しています、時に汚濁あり時に18禁あり、綺麗な場所ではございません、あしからず。

【詩】林檎の園


林檎を囓って振り向いたあなたは誰?
ここは林檎の園、誰でも入ってきていいの、誰でもあたしを食べて良いの
でも甘い果実を食べたのならこのあたしに教えて頂戴、あなたは一体誰?
あたしはあなたの身体の中であなたになる
だから知りたいのよ
あたしが誰になるのか
あなたは誰なのか

 

振り向いたあなたは答え
あたしはもう一度問う
あなたは誰?

 

あなたが誰なのかをあたしは知りたいの
あたしを食べたのなら教えなさい、あなたは一体誰?

 

あなたの家柄や年収、あなたの勲章やとんでもない前科になんて興味ないの
今林檎を囓っているあなたは誰?
あなたの本質を教えて頂戴

 

馬鹿言わないで頂戴、あなたの正体そのものが病気だなんて冗談はよして
あなたが病気で、病気こそがあなただなんて言うのは愚の骨頂だわ
いい?あたしが聞きたいのはこうよ

 

で、病気であるところのあなたは一体誰?

 

あなたが纏っている環境には興味ないのよ
あなたのカーストには興味ないのよ
だってあたしは林檎の木だから
年齢にも、美しさにも醜さにもあたし興味ないのよ
あなたが車椅子だろうが輿に乗せられていようが興味ないのよ
だってああたしは林檎の木だから
苦しみにも喜びにもあたし興味ないのよ
あなたの国籍や目の色なんて興味ないのよ、だって

 

それは環境だから、あなたの環境だから
環境はあなたではないのよ

 

ねえ、今情熱を傾けている事は何?
それこそがあなたよ
あたしはあたなの一部に成って一緒に踊りたいの
これは全ての食べ物の願い、林檎の木の願い

 

だからあなたがあたしをもう一口囓るその前に、もう一度聞くわね
ここは林檎の園、誰でも入ってきていいの、誰でもあたしを食べて良いの
でも甘い果実を食べたのならこのあたしに教えて頂戴、あなたは一体誰?
あたしはあなたの身体の中であなたになる
だから知りたいのよ
あたしが誰になるのか
あなたは誰なのか

 

語るべき事が何一つないなら、林檎を囓る事に熱中している人、それがあなたね
夜露に濡れた林檎を
秘密の園で頬張っている
あなたが踊るとき
あなたの血潮の中であたしも踊るわ
あなたが笑うときあたしも笑うわ

 

それがあなたよ
それがあたしよ
それでいいのよ
あたしたちひとつになるのよ