a.o独白ブログ

詩や創作文章を公開しています、時に汚濁あり時に18禁あり、綺麗な場所ではございません、あしからず。

寡の唄(詩)


稲穂よ
瑞穂よ

女よ
絵の題材よ
どうかここに居て

 

でも縋るとお前達は逃げて行く
骨の髄まで恐ろしいほどに
女だね
お前達は
私の不甲斐なさを
責めてすらくれない
力を
かけてやれない私を
信頼できないのも無理からぬ話だ

 

力を
振るってすらくれない男を
嘘つきと
罵ることすら
せずにただ呆れて
弱虫だと
気づいたその時にはもう
戸を開け放ち
逃げている
これは私がやってきたこと
今までしてきたこと

 

そうだよ
根性なしはうち捨てられて
それをただ嘆いているような奴は
どこまでも自分を貶めて安心しているような奴は
説得力なんて
かけらもないんだ
これは私が言ったこと
思ってきたこと

 

稲穂よ
瑞穂よ
女よ
絵の題材よ

 

涙が
溢れて仕方が無い
膝が
痛くて仕方が無い
手が
弱くて私はその手をまた抓っている

 

内面に降りて行く理由を問われて
理由など無いと返すこの言葉の
力の無さに
私は挫けている

 

私は弱い
と私が口にするその時に
私は
その時にこそ自分を見据え
自分を罰する

 

稲穂よ
瑞穂よ
女よ
見えるか私が
絵の題材よ
私が見えるか

 

私こそがお前達に
力を加えてやらねばならない
それこそが慈愛だからだ
慈愛のない創作は
ただの模倣である

 

お前達は残酷だから
それがわかるやいなや
愛想を尽かして
私を信頼出来なくなったと抜かして
手のひらを返して
私という人間から
ひと屑の籾殻も残さず
出て行ってしまう

 

これが寡の苦しみか
これが寡の哀しみか

 

あんなに懐いていたのに
などというのは怠慢である

 

いつまでも蜜月が続くなどと
思い上がるのは傲慢である

 

毎日常に力を加えてやらないかぎり
私の内部に題材は残らない

 

この世の理は
一見残酷で
実に
説得力に満ちている

 

稲穂よ
瑞穂よ
女よ
と私は唱えながら
名を呼びながら
力をまた蓄え
それを
見せつけるそのとき
題材と私の
和合がはじまる

 

涙を拭かねば
雪解けに
涙を
絞りきって
鞭打つしかない
稲穂よ
瑞穂よ
女よ
思い切り叩いてやる
私は静かに
そう吼えるのだ