a.o独白ブログ

詩や創作文章を公開しています、時に汚濁あり時に18禁あり、綺麗な場所ではございません、あしからず。

鶴の児(詩)

 

鶴という鳥が実在するのかどうかを知るそれよりも前から

私はその鳥の模様を指でなぞっていた

 母が仏壇に供えていた真鍮の水入れに

刻まれた鶴を

私は薄暗い畳の部屋で一人きり

愛でていた


あなたは

今悠々と冬空を飛んでいるのかしら

それともあなたは

 鶴の児という名だから

親鳥の舞うのを

 

今生は

すまし顔でただ見ているつもりなのかしら


母の信心

そして私の思う美の一致する場所

そこに鶴は居るのだと私は知っている

 

鶴という文字が名に刻まれたあなたを

 鶴という鳥を

 私は

一目見てみたい

その実在を

 私はまだ知らない

 

真冬の鳥

 

今度はお前が

私を愛撫するのだ

鶴よ

鶴の児よ