a.o独白ブログ

詩や創作文章を公開しています、時に汚濁あり時に18禁あり、綺麗な場所ではございません、あしからず。

他者不在の性的夢想、自然の中に私は溶けたい【性】

たまに土が食べたくなる、地面の匂いを嗅いで、その土が湿っていて黒々としていると栄養が高いのを感じるのだ、土粥にして食べたいというよりも土そのものを口に含んで、穴を掘って裸で寝転んだらどんなに気持ちよかろうと思う。

 

夢想の中で服を脱ぎ捨て裸で土の中に居る私は、ぐるぐると動き回って肌に土をこすりつけている、身体が汚れれば汚れるほど皮膚感覚が研ぎ澄まされ、小さな虫が這うのすら吐息を漏らしてしまうほどに、私は土と同化する、雨水や地下水を含んだ土は甘い。


どうしようもない疼きを感じて、私はさらに夢想する、地面から球根のように水を含んで張ったペニスが生えていたら…ぱんぱんに張ったペニス状の球根が生えていたら…舌や口の奥に泥が入り込むのもかまわず舐め回して唾液を付けた後、私は裸のまま膣の中にそれを夢中で押し入れるだろう。

やがて腹の奥に自然に張られた強い糸が波打ちはじめ、呻き声が湧きあがる頃合いには、私は球根を膣から引き抜いて噛み砕いて食べてしまうかも知れない。

 

誰もいなくていい、というのは何もかもが私自身であってほしいという欲求でもある。

 

誰かではなく、何かが私の手の届く場所に存在していれば、そうすれば私は欲求を持て余すこともなく、悪人になることもないのにとよく思っていた。

 

私は精液が結構好きなのだが、これが自販機などで売られていればしこたま買っていただろうと思う、男に会うのも億劫なときや、単に口寂しいときにどれほど身体を温めてくれるだろうか。
何故精液が大量に売られないのか心底疑問である、あれは草の汁みたいなものだ、あの汁を携えて誰も居ない草原や森林へ赴いたらどんなに爽快だろうと私は夢想する。

 

その夢想の中で私はまたもや裸になる、地面には鋭い草や石ころがあるかもしれないので、スニーカーだけは履いている。
私の身体は草木の匂いで敏感になっている、膝に触れる葉の感触が心地よい、空は晴れている、私は精液のたっぷり詰まった袋の封を静かに開ける。


強い香りがあたりに漂い、私は舌でそれを味わってみる、それからゆっくりと全身に精液をかけるのだ、乳房や身体の至る所を刺激しながら私は草原に寝転がる。


下腹部が熱いのをそのままに、私は残りの精液を飲んでしまう。

この種の夢想で私は精液を膣に注いだりはしない、あくまで舐めたり飲んだり肌の上にかけたりして感触を味わうだけだ。

…こういう状態のときに手で陰部を触ってしまえば、夢想の中での私はたったひと撫でで達してしまうだろう、それがつまらないので手で触れずに、股に波が打ち寄せるようにと、全身をゆっくりとくまなく、自らを焦らしながら愛撫するのである、そんな性的夢想をするときがある。

 

…という話をとある場所でふと、言ったことがある。

 

そのとき私が反応として受け取った言葉は「その空想の後半には男が出てきて君を襲うんだろう」という類いの文言でしかなかった。

 

私はがっかりした、なぜなら私のこの手の妄想は、私以外誰も出てこない、というところにこそ美学や拘りがあるのだということを、理解してはもらえなかったからである。

 

誰かが登場する性的妄想というものには限度がある、つまり誰かが何かの役を演じねばならないのだ、人間関係に於ける役割などたかが知れている。
性的妄想の場合「どちらが強いか弱いか」という絶対的ルールがある。
なぜなら、「どちらも凄く好きで互いに心身の助けになっている」という妄想は……このような相手が実在しない限り、非常に虚しいものに一変するので私自身を含め普通の人間は避けるのである。

 

誰しも理想の相手とまぐわいたく、理想の相手で自慰行為したく、理想の相手にそれを許してもらいたいとどこかで願ってはいる。
そして相反するように理想の相手ほど、傷つけたい相手は居なかったりする、しかしこの手の妄想は自分自身で疲れてしまうのだ。

 

私は性に於ける善悪というものが心底、性をつまらないものに仕立て上げていると思っている、性を商業的にするだけして、値札だけつけて、あとは陳列するだけ、という虚しい繰り返しの作業に貶めていると思っている。

 

善悪の無い性、というものを考えたとき、一番手軽なものは「誰も居ない性」だった。
私にとって一番楽な性は、他者の不在だった。

 

私の一番愛しているもの、愛していると胸を張って言えるものは何かと考えたらそれは「美しいと感じる景色」「その景色を見て感動するほどの自然」といった現象だった、愛している現象を素直に性に結びつけたら土まみれになりながらの植物相手の性交や、青臭い精液をぬりたくっての自然世界での自慰行為、となったのだ。

 

そこには誰も居ないのだ、私以外誰も出てこない、私より強いものも、弱い存在も一切出てこない、私は犯されないし犯さない。

 

本当はまた、犯されたいと願っているのだろうなどと言ってくる連中には妄想上の精液パックを、その連中の顔面に大量にぶちまけることにしている。
相手が面食らった顔をしたら、お前こそ一番望まぬ存在によって汚されたいのだろう、と私は言い返す、現実には黙っていても空想の中ではなんでもありなのだ。

 

そして性的妄想の中でも絶対的に安心できるのは、一人きりの時だけである。

 

性が他者なしに悦びをもたらすとき、私は土の中に居る、私は森林の中に居る、男ではなく体液だけ、私のそばに携えている、これが私の性的妄想である、善悪や強弱の無い世界に私は行きたいと願っている、自然の中に溶けてしまいたいと、私は切に願っている。