a.o独白ブログ

詩や創作文章を公開しています、時に汚濁あり時に18禁あり、綺麗な場所ではございません、あしからず。

【詩】あなたとこうして互いの毛先を

暗い室内、アルコールの匂い、向かい合って座るあなたと私。

ほんの少しずつ距離を縮めている、これは物理的、心理的な話。

髪の毛の先、というのは最早生きているとは言い難い部分で、局所的には死んでいる状態である。

それなのにどうして、あなたとこうして互いの毛先を、指先で触れあっている、それだけで身体の内部が熱くなってくるのか。
鳥肌が立つ、唇が擦れるか擦れないかのところで笑みが漏れる。
しょっぱい味、これがあなたの味。

どうしてあなたと、ただ小さく触れ合っているということが、私たちを私たちにするのか。

今ここで爆撃、煙、何か突発的な災害、悲鳴、そうなったら私もあなたも、互いを守り合うでしょうね。

それでもこの夜は、いつもの夜なのだ、生物が連綿と、密かに手折ってきた日常、火花で織られた閃光の絨毯。

だってそれこそが、命そのものなのだ、善悪の無い場所まで私は降りていって、その場所の熱さだけを一人で確かめに行く。

足の裏のやけどが心地いいのよ、くすんだ黄色い空に溶けてゆく吐息を、今日吸い込むのは誰でも無い私。