a.o独白ブログ

詩や創作文章を公開しています、時に汚濁あり時に18禁あり、綺麗な場所ではございません、あしからず。

これ以上楽しいことがあるだろうか

 

夕暮れ、道の向こうから来る自転車の明かり、川沿いの空気、もう冬の匂い。

自分の文章が読まれることが嬉しかった、相手が先生であるということがとても嬉しかった、なぜなら私は先生の文章がとても好きだったから。

先生、というのは私が勝手に彼をそう呼んでいるだけで、職業名ではあるが私は医者を偉いと認識しているわけではない。

ただ、先生は先生なのだ、年はそんなに違わない、そもそも顔が好みである。

顔も、彼の書く文章も好みである。

そんな人に長らく私は自分の書いた文章を嫌と言うほど読んでもらえていたのだ、これ以上楽しいことがあるだろうか。

私の悩み、などが些末なもに思えた頃から、私自身がこの件について…もうカウンセリングを終えた方がよかろうと思うようになった。

と同時にいつまでも続いたらいいのにと願った、先生は先月、終わらせてくれたのだ。

私は自分が恥ずかしくてならない、私は自分の楽しみに先生を付き合わせてしまった、先生は付き合ってくれた、一見私は悩んでいたから、その実全く悩んでなどいなかった、私は楽しんでいた。

私の書くことは、先生の理想とは異なっていた、そのことが多分先生を引きつけたのだ。

あくまで私の文章に、先生は感心を示してくれた、ああ、先生宛の文章を書いていたあの頃…という風に、私はいつまでも思い出すだろう、幸せな日々として川沿いの道を病院まで歩いたこと、考えあぐねながら文章を組み立てたことを、一種の苦しさとともに思い出すだろう。

苦しいのは失恋したからだ、というよりこのような恋は、叶うようなものではないからだ。

これほどまでに完璧な片思いを、私は生まれてはじめてした、彼の善行を私は讃える、彼のまっすぐな光を私は横目で見る、それが遠のいてゆく、暗くなる岸辺、行ってしまった自転車、秋の夕暮れは湿っている。