散文の自画像 

創作魂を持つ大熊という人間が、散文で日々の自画像を綴る文章ブログです。

自分の苦しみ

私は立っている、玄関で内職の荷物を運んでくれる人を私は立って観ている。私も歩けるのだからバイトでもしようかな…その時になんとも言えない骨のずれを感じる、直立不動の状態がいけなかったのだ。座って居ても鼠径部のような場所がチクチク痛む、大丈夫、…

痛みと仕事のジレンマ

脚の痛みに関して人に説明をするのが今、一番、精神的に疲労を伴う作業である。説明、というのはこうして開示することではなくて、疑問に対する解き明かしをするということ。脚痛い感覚自体は私には元来あった…と言ってもそれは土踏まずについてであり、つま…

家に借金があった

家に借金があった。 家…この家という世帯、つまりM氏に借金があるのを昨日知った。M氏は自分の稼ぎややりくりを一切私には見せない男である。自分の物事は自分で管理したい気持ちが強く、何にどれくらい使うのかを誰かに開示するのが苦痛なのだと思う。そ…

血管迷走神経反射と認識の歪み

血管迷走神経反射…と言うらしい、一昨日起った精神的発作、要するに俗にいうただの「失神」や「自律神経」に該当するとの事である、かかりつけ医に聞いたのだ。風呂上がりに血流が一時的によくなり、そのまま血が全身を駆け巡って「脳みそに行き渡らない状態…

精神的発作と死について

昨日精神的な発作が起きた、とても驚いているし今もまだ何かふわふわした嫌な感じがあるが、だいぶ遠のいてはいる。さっきまで何をしていたのか唐突に忘却している妙な感じがまだ「居る」が、なんとかなっている。 自分という認識が曖昧になり、言語や事象と…

絶え間ない祈りと宗教観、ロザリオや数珠に含まれる時間感覚

絶え間ない祈りについてこれは祈りに関する「個人的な思想」である。目の前を通り過ぎる物事、人、大小のアクシデント、仕事に当てはめるならば内職で取りかかる目の前の本の一冊一冊、清掃時代だったら一部屋一部屋、接客時代の私がこの祈りを実践するとし…

私の神様

個人的体感のうちに生きているとどうしても団体の決まり事というものの中に神秘を見いだしにくくなる。祈りというものは関係性だと説かれても、私は自分の個人的な関係性のほうを重要視してしまう。 関係性の外側へ行ってしまう人間は果たして救われるのだろ…

ロザリオによる自分の供養

ロザリオの珠を手繰るとき私は束の間時空を超える その一粒に私は居て彼方を照らしている私の前方に光があるのは祈りが発せられているから 祈りの輪が一巡するとき、私は時間の輪を思い浮かべる時間の輪の外側に私は居て人生を見ている人生の全てを照らす光…

遍く世々の御母

遍く世々の御母よ 私はあなたを聖母マリアとは呼び難い。聖母マリアと呼ぶには、私はあまりにもあなたを知らなさすぎるしとりたて、カトリックの教義そのものに愛着があるわけでもない。それでも原始母的な存在に私は触れ、果たして、何処までが許されている…

絶え間ない糸の祈り

恵みがありますようにこれは私の心の内側の秘めたる祈り秘めたる確信遍く世々の御母に言葉にするのを許された私の真実 この祈りを歩きながら自分の心の内で唱えます、歩きながら、あるいは家事をしながら、仕事をしながら唱えます目に入る事象について唱える…

【詩】小さな祈りを自分に課すことにしたのです

小さな祈りを自分に課すことにしたのです 課しているのは恩寵です課しているのは恵みです課しているのは配慮ですそれを天を介して私は自分に課すことにしたのです 恵みがありますように だけどこの祈りは実際には口に出してはいけないのです言葉にした途端に…

【詩】四万十川

四万十川をまだ見たことがないあなたの青春も見たことがないそれでも水滴なのだ、私たちはいつだって水滴なのだと私は言ってあなたの嘴を撫でる 濁流の内から湧き起こりたった一点の、対の瞳を持った私よ静かに根を張りなさい心の大河に 大河から湧き起こり…

【詩】春の問答

私の骨は何処でしょう春の野に 完璧さの欠けた私は問いかけます 私の肉体は何処でしょう在るはずなのです世界の何処かに置き忘れているのです宇宙の何処かに 私の心身は何処でしょう在るはずなのです何処かに完全な心身 その在処を私は忘却し続けているので…

【詩】愛せない日々

私の周りには陽光が溢れ、小さな虫たちが花の蜜を吸いに地面から湧いてきている、ねえ見える?私はまだ時間の中に居る。この花の蜜は大丈夫、人間の色眼鏡で作られた能なしではないから。狂った生物が作られているのは、狂った生物を食べているから、F1種を…

【詩】ああこれが私の死

ああこれが私の死死というものに私はすっぽりと収まる棺はこの世で一番の居場所 足が鈍い呻きを出す度私は言うああこれが私の痛み他ならぬ私の痛みにすっぽりと収まっている私の痛みは私の居場所死への道を私は歩いている 坊やよく聞きなさいまだ道は半分今…

【創作文】真理を購入する

Amazonで珍しいものが売っていた、「真理」と名付けられたその商品の価格は3万円、おお、真理が3万円で手に入るのか!ちょうど手元に余ったお金と同じだった、私は嬉しくなった、というのも最近は長年放置していたこの「真理」に対する神秘的な内的体験…

【詩】一粒の慈雨

一粒の慈雨の内側に私は居ます春を呼ぶ灰色の風の中から私は唄いますあなたのためでありたいと私は唄います 一粒一粒の慈雨の内側に私たちは居ます春を呼ぶ鈍色の数多の風の中から私たちは唄いますこの身があなた方の為になりますようにと私たちは切望します…

【創作文】呪いと愛

真っ暗闇の中目が覚めた、呪いが作動したのだ。その日は特におかしな予感がした、予兆は目覚ましの故障だった。どこをどう押しても目覚ましが鳴り止まないのだ、「おはようございます」、仕方が無いので電池を取り出して捨てた、さあ機械の故障が始まったぞと…

【創作文】「70か80まで」

「70か、80まででお願いします、100はやっぱり今の速さでは追いつきませんから」 木漏れ日が机に落ちる、新しい綺麗なものを私に見せて下さい。本当に顔の目の前に図柄が浮かぶ、私は目を瞑りながら手を動かしてゆく、誰も待っていない。誰も観ない。誰も観な…

【詩】夜空に投網する

夜空に投網する小さな星屑が引っ掛かる物語の中の姫君を真似てお月様が欲しいのと船頭に懇願もしてみた しかし網を持っているのは私だ網の重みを常に感じながら生きてきたのは私だお月様がなかなかかからないからと言ってその網を投げ捨てるわけにはゆかぬ …

【創作文】振り子の世界

影の子は色彩の無い世界で目覚めた、目覚めたその瞬間から影の道筋が見えた、行かなくては…影の子は歩き出した。自分の発する言葉が意図せず谺する事があった、気をつけよと影の長老に言われ、影の子は素直に頷いた。影の世界の振り子は人間の世のそれよりも…

【創作文】地底薬局

「終わらない音楽をひと匙、虹色宇宙の卵の黄身を50個、今という時間を砕いて粉にしたものを…そうだねえ、瓶詰めにして何本かあたしに持ってきて頂戴、まず、それらを量る秤が必要だけれど」 私の症状は深刻だった、見るに見かねた地霊たちが教えてくれたの…

【創作文】影絵の会話

いつもの駅前、山を穿って作った人工の街に僕は住んでいる、僕はたまに思う、この街には影が居ると。土曜の夕暮れ、この辺鄙な駅の銅像の目の前に二人の男女が腰掛けていた、冬の風が山に向かって吹きすさぶ中、この二人の男女は何やら懸命に話している、宗…

【創作文】虹色の鶴

虹色の鶴が上空を舞っているのが見える、鉛色の音が部屋を満たしている、静物はただそこに在る、陽光が降り注ぐ窓辺で私は、鉛筆を走らせ動かぬ物を画用紙に写し取っている。画用紙に物が実在するようになれば、それは「良いデッサン」になる。「作品」には至ら…

【創作文】笹団子の外側

「過去が圧縮されたように見えるのは、目玉が本当には三次元を認識出来ないのと同じ事だ、目玉は本当に奥行きを認識しているんじゃないんだ、全部平面として受け取っているんだよ、まあ、お前には難しいだろうがな」父はそう言って地図を指さした。「この地図に…

【創作文】夢製の写真

夢の中に僕は居る、そう気付いたとき、自分の好きなことを生み出せるっていつも気がつくんだ。僕が手に持つのは夢製の古びたカメラだった、これで夢を撮るんだ、僕はそう意気込んで石畳の小径を歩き回った、まだ日は高く、空は虹色に輝いている。さっきまで…

【創作】石仏

紅色の数珠の一粒一粒を私は丹念に見た、紅色の珠は珊瑚を模した物で、朱色と乳白色のプラスチックを揺らぐように混ぜ合わせて造られており、夕日が雲に当たって刻一刻と形状を変えているかに見えた。「この数珠の中には時間が込められている」「広大な空の夕焼…

【創作】奉られた過去

小さな炎が冬の最中に燃えているのが見えた、見えた、とは言い難いが見えたとしか言い様がない、私は奇妙な体験をした。 諸事情により詳細は伏せるが、冬に差し掛かる頃、国道をひた走り、巨大河川の源流を越えたあたり、四方を山に囲まれた廃村、その中の一…

【創作】泣いているのは一枚の絵

泣いているのは一枚の絵、それから、遠くの川を隔ててひた走る無数の灯りが見えた、首都高だ、首都高が夜に向かって生えているのが見えた。男は言った、「俺は上手くやれてしまう方だから」、私は黙っていた。私と男の見つめる夜の川は河だった、海の混ざった…

【創作】月明かりの修道士

「夢が入っているのですよ」黒い修道服が目の前で翻り、その人物が踊るのが女には見えた、息を飲んで女もステップを踏む、水をこぼさないように、こぼさないように。「この器には夢が入っているのですよ」修道士は、物わかりの悪い子供を相手に話すように女に言…