☆日々の詩

【詩】それでも我らは

実体は永久にやってこない実体が不可視なものである以上手順を踏むという事こそが生きる真実となり一段ずつ登攀して登攀してそれでも我らは永久に辿り着けぬ実体へと登攀し続けるのみ 全ての手順が真実となり全ての手順が敬愛を示す最善のものとなるそれでも…

【詩】矛盾を丸ごと我が身とするときに

私の信じる神を言い表す事は出来ない私が何かをするとき私は必ずその摂理に従って行為する言うなればそれは独善である誰一人私の信じる尊い神を言い表す事は出来ない 内在の神を信じている人間の持つ独善の気配は時に他者の目に余る一方で内在の神をまるで信…

【詩】人間は自分の神を人に説明してやることが出来ぬ生き物である

人間は自分の神を人に説明してやることが出来ぬ生き物である 快楽の最たるものはただ一つ、神は我が身と共に在る、この境地を指す神が自身の内奥に潜んでいるのであれば、そう自分を虐めることもあるまいと、冬眠目前の蛇を撫でながら言うしかし蛇同様、人間…

【詩】恥に満ちている

どこまでもついてくる自分の亡骸を降ろそう、土に降ろそう、もう降ろそうとすると声がする…それは亡骸等ではない、厭わしいであろうそれ自身こそが、貴女という人間を示すものなのだと言う声がするこの声はどこまでも亡骸と共についてくる、新しい人間になろ…

聖者よ教えて下さい

煌めくあの場所には旗が立っていて、数多の巡礼者が長い長い倦むような旅路の果てにその旗を仰ぎ見るのです。これが自分自身なのだという幸福に満たされながら、そこを聖地と呼ぶのです。哀しいことに私は今まで、それがどんなに小さなものであれ、この種の…

【詩】川が流れている

川が流れている水は冷たく澄み空の青と川底の土の色をそのままに映している稀に水面が決して辿り着く事の出来ぬ煌めきの炎を宿し白色に輝いて手招きしている全ての生き物の到達点においでと手招きしている 些末な泥仕合から逃れやっと永遠の空白を見つけたと…

『答え』の中に生きている

答えを外に求めるなかれ 『答え』と発言する映像を観る、音声を聞く『これこそが答え』と発言する映像をその次に観る、音声を聞く『これこそが究極の答え』と発言する映像をさらに観る、音声を聞く しかし答えは無い、音の色もほとんど無い 『答えに至る道』…

【詩】台風とはこれ即ち夏と秋との和合である

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏我らに出来る事はただ金剛に輝く時節と時節とのただならぬ逢瀬を一切の手出しをせず固唾を飲んで見守る事ばかりなり 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏台風とはこれ即ち夏と秋との和合であるされどこの和合は和やかにあらず悦びの猛りと流転…

【詩】経帷子を縫いましょう

経帷子を縫いましょう 一針一針命を込めて あの世の服を縫いましょうこの世で一番すっぽりと 身体を覆うことの出来る最後の居場所あられもない格好で 打ち捨てられて死ぬよりも夢見心地の白地を今すぐに この身に纏っておくのです手に手を取る人が居なくとも…

戦闘機らしきものが

抽象的原因の死を解明しようと試みたのですが無駄でした戦闘機らしきものが5機体併走して飛んで行くのを見ました飛行機の併走という事象自体がそうです あの懐かしい街の上空をいつも轟かせていた他国軍の機体だと すぐに解りましたしかし画面越しの文字列に…

聖なる空席で晩餐会をしましょう

聖なる空席で晩餐会をしましょう聖なる空席が見つかったと今 古代から伝わる方法で 幾度目かの知らせを受けました万軍がそこへ赴き ほら 戦が 私の代では初めての戦が始まったようです我が軍はいち早く聖なる空席を発見したと伝令は私に言います私は頷いて言…

【詩】神なるX 神なるX 神なるX

全ての命の意味は 神なるX 神なるX 神なるX 虚空を中心とした集合活動に過ぎない加速度的に中心へ向けての運航が連綿と成されるが未だ到達した者はいない何故なら全ての中心は永遠に辿り着けない無であるから 神なるX 神なるX 神なるX あなたは無であ…

【詩】現世を否定する罪を、全能であらせられる御方を食することで贖わせて下さい

神様の恥部を食べてしまいたい人間が神の似姿であるならば脱ぎ捨てられた御身体を私めにお与え下さい現世を否定する罪を、全能であらせられる御方を食することで贖わせて下さいせめて恥部をお与え下さい辱められ、自らを辱めた婢女にはさらなる恥の罰が必要…

悪魔ロベルトを悪魔にしたのは誰のせい

悪魔ロベルトを悪魔にしたのは誰のせい?贖罪の血を飲んでしまったの購いの血を飲んでしまったのそうよだってこの世の車輪はまだ、生け贄無しには回らないんですものこれは皆が誰かに傅いて欲しいと跪いて請い願ったから流れ出た苦しみの血贖罪の血聖母の乳…

瀉血用の貝殻

瀉血用の貝殻が懐かしくて堪らない 生きている間は二枚貝を開いて紅い紅い血の受け皿にしたの私が生き終えた分だけの年月をかけて蒸発して「今」目の前に散らばるのは無数の黒い貝殻だけ 「ここ」から眺めている私と、瀉血をする間の私は、互いに目が合うのを感…

泣きながら待ちわびる聖女の口づけ

花びらのお茶さえも枯れていってしまった、謝らせてちょうだい ごめんなさい、泣きながら待ちわびる聖女の口づけ、薔薇の雨の予定は無いの、だって未来なんて無いから沢山の人と未来の話をしてずっと前から未来の話を軸に生きて未来の話と合致しない部分があ…

ロザリオによる自分の供養

ロザリオの珠を手繰るとき私は束の間時空を超える その一粒に私は居て彼方を照らしている私の前方に光があるのは祈りが発せられているから 祈りの輪が一巡するとき、私は時間の輪を思い浮かべる時間の輪の外側に私は居て人生を見ている人生の全てを照らす光…

絶え間ない糸の祈り

恵みがありますようにこれは私の心の内側の秘めたる祈り秘めたる確信遍く世々の御母に言葉にするのを許された私の真実 この祈りを歩きながら自分の心の内で唱えます、歩きながら、あるいは家事をしながら、仕事をしながら唱えます目に入る事象について唱える…

【詩】小さな祈りを自分に課すことにしたのです

小さな祈りを自分に課すことにしたのです 課しているのは恩寵です課しているのは恵みです課しているのは配慮ですそれを天を介して私は自分に課すことにしたのです 恵みがありますように だけどこの祈りは実際には口に出してはいけないのです言葉にした途端に…

【詩】四万十川

四万十川をまだ見たことがないあなたの青春も見たことがないそれでも水滴なのだ、私たちはいつだって水滴なのだと私は言ってあなたの嘴を撫でる 濁流の内から湧き起こりたった一点の、対の瞳を持った私よ静かに根を張りなさい心の大河に 大河から湧き起こり…

【詩】春の問答

私の骨は何処でしょう春の野に 完璧さの欠けた私は問いかけます 私の肉体は何処でしょう在るはずなのです世界の何処かに置き忘れているのです宇宙の何処かに 私の心身は何処でしょう在るはずなのです何処かに完全な心身 その在処を私は忘却し続けているので…

【詩】愛せない日々

私の周りには陽光が溢れ、小さな虫たちが花の蜜を吸いに地面から湧いてきている、ねえ見える?私はまだ時間の中に居る。この花の蜜は大丈夫、人間の色眼鏡で作られた能なしではないから。狂った生物が作られているのは、狂った生物を食べているから、F1種を…

【詩】ああこれが私の死

ああこれが私の死死というものに私はすっぽりと収まる棺はこの世で一番の居場所 足が鈍い呻きを出す度私は言うああこれが私の痛み他ならぬ私の痛みにすっぽりと収まっている私の痛みは私の居場所死への道を私は歩いている 坊やよく聞きなさいまだ道は半分今…

【詩】一粒の慈雨

一粒の慈雨の内側に私は居ます春を呼ぶ灰色の風の中から私は唄いますあなたのためでありたいと私は唄います 一粒一粒の慈雨の内側に私たちは居ます春を呼ぶ鈍色の数多の風の中から私たちは唄いますこの身があなた方の為になりますようにと私たちは切望します…

【詩】夜空に投網する

夜空に投網する小さな星屑が引っ掛かる物語の中の姫君を真似てお月様が欲しいのと船頭に懇願もしてみた しかし網を持っているのは私だ網の重みを常に感じながら生きてきたのは私だお月様がなかなかかからないからと言ってその網を投げ捨てるわけにはゆかぬ …

【詩】夢の中の夢

襖を開けて開けてまた開けてまた次の夢へ夢の道は何重にも折り重なっていて時に険しい終わった夢は一枚の折り紙そして次の折り紙の上に降り立つのよ私は ねえもう夢から覚めたいのだけれど目が覚めてもまた夢とうとうこの布団まで戻ってきたと思ってもそうね…

【詩】白い白い虫

身体を横たえ、口に食物を含みながら眠る身体が白く白く丸まってきたのだ自堕落な日々は幾日続いたろうかはて、秋の空は澄んでいると記憶していたがどうにも最近はいつまでもぬるくて暖かくてずっと夜のようだ土の中のようだ 眠りに落ちる瞬間 暗い穴を抜け…

【詩】私は錆びた銀の針

私は錆びた銀の針、海に揺蕩う銀の針地獄でもがく銀の針、一人で唄う銀の針あまりにも美しい夢をみたので泣いています涙は塩水に溶け私の身体も塩水に溶けています 夢の中の海は水面が太陽の光に乱反射し眩しくて目を開けていられないほどでしたいくつもの潮…

【詩】南無妙法蓮華経

地獄に落ちるぞ地獄に落ちるぞ法華経を唱えなかったら地獄に落ちるんだぞだからこの手を掴むんだ今すぐ掴んだら離してはならない末代まで伝えるんださぁ今すぐ唄え 南無妙法蓮華経全力で唄え南無妙法蓮華経 仏法を喉を震わせ唱え続けるのだ自らの血が遂に遂…

【詩】骨になったあなたを

骨を舐めさせてよあなたの骨を骨の粉を粉になったあなたを舐めさせて食べさせてよあなたを骨になったあなたを塵になったあなたを 磁器のお鍋を空焚きしたら火葬場の匂いよ火葬場の焼却炉の扉は黒くて両側に小さな明かりが静かに灯っているのそして炉に入る者…