大熊あれいブログ

文章ブログです、雑記帳のような感覚で主観的、感覚的に詩やエッセイのような独白文章を書いています。不定期です。

祈りと文章【ブログ】

母は夕方になるとよく、西日の差す部屋で手を合わせて祈っていた、その文言は釈迦の言葉だったようだが母自身、自分が何を唱えているのかはほとんど気にはしていなかった、母の母も、その母の母もそうやって代々祈っていたのだ、彼女たちにとって祈りはリズ…

未達と自殺【社会】

私は客観的な時間ではたったの1年、しかし内的な時間に於いては果てしなく長い1年を正社員として過ごした、電話営業の会社に10年前の私は居た。 なんでまたそんな会社に、と思うかも知れないが、私としては奨学金を返すということと、実家への仕送り、自…

嫉妬

「週末はNYへ出張に行くんだ。俺の参加したコレクションがメトロポリタンに展示されたんだよ、自分の作品が飾られて世界の人から見られるのは、本当に名誉なことだよ」 私は人に対して嫉妬した事があまり無い、だが明らかに、私は彼に嫉妬していると気付いた…

☆Kちゃんのスチームケース【精神】

黄緑色のスチームケースを、Kちゃんという友人からもらった。スチームケースというのはシリコンで出来ている料理用品である、中に少しの水と一緒に野菜を入れてレンジで温めるとあら不思議、すぐに美味しい温野菜になる、そんな日々の生活にあるとちょっと…

☆IUDリングという子宮内部の避妊器具【性】

子宮の中にはIUDと呼ばれる避妊用の器具、避妊リングと呼ばれる物が入っている、私の子宮の中には、である。 この器具の存在自体あまり知られていない。レントゲンを撮った際、担当した白衣を着た整骨院の医者はしきりに「何かの手術跡ではないのですか」と…

首都高速の高架下【詩】

首都高速の高架下、あのコンクリート色の場所は、大きな川辺のすぐそばにある。 高架下と交差するように架けられた橋の片隅。虹の大橋と看板がつけられたあの橋の、そのすぐそば、真上には首都高の裏側がむき出しになっている風の吹きすさぶ場所、そこに木は…

寒いので夕日を食べる【詩】

寒いので夕日を食べる、もうすぐ冬至なのだ、身体には日の光を蓄えなきゃならない、地面に属する構成のものは、太陽が少なくなると脆くなってしまう、それは人間とて同じだ。 橙色のもので代用できる、ぎっしり詰まった夏の身体が恋しい、柔らかく湧き出る春…

ビッグママ【職場の人間たち】

私の現在の仕事はホテルの清掃である、これが意外なほど性にあっている、体力系でありながら一人で仕事を進めてゆけるので「ノリ」や「空気」はそこまで必要でなはい、ではこの職場で働く清掃婦たちは皆寡黙でとっつきにくい性格なのかというと…実に相反するよう…

☆M氏の拒絶と愛(性的不能、セックスレス、信頼関係)

薄暗い夜の部屋にて、私の目前でオレンジ色の閃光が散った、黄緑色も少し混ざるくらいの、幾筋もの強烈な火花だった、はっとした時にはもうドライヤーから焦げ臭い匂いが漂っていた。 私の気付かぬ間に、私の身体は悲鳴をあげたらしかった、隣の部屋からM氏…

芝生で覆われた土手一面に、霜が降りて光っている【詩】

芝生で覆われた土手一面に、霜が降りて光っている、そんな朝はただひたすらに青く、湖に街ごと沈んでしまったかのようだ。この青い空気を羽に内包しているらしい白鷺が、音も無く飛翔する、そのまままっすぐ、あの橋の下まで。 あの橋の下で私は一晩中過ごし…

ポエム【詩】

空気の澄んだ午後に、バスに乗っていて窓越しに外を見たら、落ち葉の舞い散るただ中に、妙に好みの男が立っていたので思わず私は凝視した。 意外なほど温度を感じる冬の日差しのせいか、マフラーを取りさって顔を上げた彼が、なんとこちらを見つめ返してきた…

白装束の人々【霊のはなし、概念】

まだ家族で車に乗っていた頃、まだ私も信仰心を掲げていた頃、妹がようやく物心ついた頃、私たちはよく祖父母の家へ遊びに行っていた。 山々の合間を縫うように高速道路で走った先の盆地へと頻繁に赴いた。その日は「した道」、要するに一般道を使って行ってみ…

芸を発表するということ【芸術】

平坦にされた一区切りの地域と、そこに立ち並ぶ電信柱、曇天、共産圏みたいな景色だなと無意識のうちに思う。きっとこの区域には同じ家が建つのだ、灰色だか肌色だかの、同じ壁や屋根の家々が立ち並ぶ一帯となるのだ。 ネット上で詩の朗読を聴いた、集団で詩…

他者不在の性的夢想、自然の中に私は溶けたい【性】

たまに土が食べたくなる、地面の匂いを嗅いで、その土が湿っていて黒々としていると栄養が高いのを感じるのだ、土粥にして食べたいというよりも土そのものを口に含んで、穴を掘って裸で寝転んだらどんなに気持ちよかろうと思う。 夢想の中で服を脱ぎ捨て裸で…

性的トラウマを語る難しさ【性】

性的トラウマについての話を、例えば「近親相姦」「強姦」「幼児期の性的暴行」と言葉にしてゆくと不思議な現象が起こる。 「近親相姦」モノ、「レイプ」モノ、「ロリコン」趣味…というようにそれは性に於ける娯楽へと転じるのだ。 だってそれは演技だから…それは幻想だ…