a.oブログ

詩や創作文章を公開しています。

☆Kちゃんのスチームケース【精神】

黄緑色のスチームケースを、Kちゃんという友人からもらった。スチームケースというのはシリコンで出来ている料理用品である、中に少しの水と一緒に野菜を入れてレンジで温めるとあら不思議、すぐに美味しい温野菜になる、そんな日々の生活にあるとちょっと…

☆IUDリングという子宮内部の避妊器具【性】

子宮の中にはIUDと呼ばれる避妊用の器具、避妊リングと呼ばれる物が入っている、私の子宮の中には、である。 この器具の存在自体あまり知られていない。レントゲンを撮った際、担当した白衣を着た整骨院の医者はしきりに「何かの手術跡ではないのですか」と…

首都高速の高架下【詩】

首都高速の高架下、あのコンクリート色の場所は、大きな川辺のすぐそばにある。 高架下と交差するように架けられた橋の片隅。虹の大橋と看板がつけられたあの橋の、そのすぐそば、真上には首都高の裏側がむき出しになっている風の吹きすさぶ場所、そこに木は…

寒いので夕日を食べる【詩】

寒いので夕日を食べる、もうすぐ冬至なのだ、身体には日の光を蓄えなきゃならない、地面に属する構成のものは、太陽が少なくなると脆くなってしまう、それは人間とて同じだ。 橙色のもので代用できる、ぎっしり詰まった夏の身体が恋しい、柔らかく湧き出る春…

☆M氏の拒絶と愛(性的不能、セックスレス、信頼関係)

薄暗い夜の部屋にて、私の目前でオレンジ色の閃光が散った、黄緑色も少し混ざるくらいの、幾筋もの強烈な火花だった、はっとした時にはもうドライヤーから焦げ臭い匂いが漂っていた。 私の気付かぬ間に、私の身体は悲鳴をあげたらしかった、隣の部屋からM氏…

芝生で覆われた土手一面に、霜が降りて光っている【詩】

芝生で覆われた土手一面に、霜が降りて光っている、そんな朝はただひたすらに青く、湖に街ごと沈んでしまったかのようだ。この青い空気を羽に内包しているらしい白鷺が、音も無く飛翔する、そのまままっすぐ、あの橋の下まで。 あの橋の下で私は一晩中過ごし…

ポエム【詩】

空気の澄んだ午後に、バスに乗っていて窓越しに外を見たら、落ち葉の舞い散るただ中に、妙に好みの男が立っていたので思わず私は凝視した。 意外なほど温度を感じる冬の日差しのせいか、マフラーを取りさって顔を上げた彼が、なんとこちらを見つめ返してきた…

白装束の人々【霊のはなし、概念】

まだ家族で車に乗っていた頃、まだ私も信仰心を掲げていた頃、妹がようやく物心ついた頃、私たちはよく祖父母の家へ遊びに行っていた。 山々の合間を縫うように高速道路で走った先の盆地へと頻繁に赴いた。その日は「した道」、要するに一般道を使って行ってみ…

他者不在の性的夢想、自然の中に私は溶けたい【性】

たまに土が食べたくなる、地面の匂いを嗅いで、その土が湿っていて黒々としていると栄養が高いのを感じるのだ、土粥にして食べたいというよりも土そのものを口に含んで、穴を掘って裸で寝転んだらどんなに気持ちよかろうと思う。 夢想の中で服を脱ぎ捨て裸で…

性的トラウマを語る難しさ【性】

性的トラウマについての話を、例えば「近親相姦」「強姦」「幼児期の性的暴行」と言葉にしてゆくと不思議な現象が起こる。 「近親相姦」モノ、「レイプ」モノ、「ロリコン」趣味…というようにそれは性に於ける娯楽へと転じるのだ。 だってそれは演技だから…それは幻想だ…

☆近親相姦【性】

近親相姦というものは起こりうるなと思ったことが私にはある、避けがたいこととして、ではなく私自身が半ば望んで結合するという形の性交である。垂れ目がちなどんぐり眼に、私とは似ていない薄い眉、薄い髪の毛、そしてがっちりした体躯、大きな足…彼の半分…

栗毛色の髪の女【楢山節考】

楢山節考の舞台、山梨の山中や、甲州街道のそばに父方の先祖は住んでいた、父もそこで生まれ育った。ある程度の老齢になると、人々は山へと赴くのだ、そのような風土が確かに山梨にはあると私は思う、四方を山に囲まれたあの盆地はひたすら暗いのだ、日照り…

人形【詩】

小さな箱を用意してそれを周囲の世界に見立てる、そして自分を人形に置き換えた、部屋は明かりが灯っているが四隅には闇が息を潜めている。 私はたまらなくなって人形の四肢を、一本一本ちぎっていった、大きなハサミで右腕、左腕、左足、そして右足、下腹部…

月面球【詩】

ラブホテルのエレベーターの中 文字盤のあたりに月面の壁紙 どうやら 辿り着けない場所へ行くらしいねと笑い合う 誰がこんなことを あなたの 髪の匂いがわかるほどそばへ 月はその実トンネルの向こう側の光なのだよ あれは球体なのではなくて 空洞なのだよ …

冬の朝日の赤さと恐怖【精神】

桜の木が灰色の膜を纏いはじめたら冬が始まるのだ。家の影になるその場所、私自身の身体が温められるこの家の、その影に霜が降りるときに私はじっと目をこらす、まだ夜明け前。 冬の朝日は鋭いのだ、あれは大きな目玉である。私が冬の日の出を明確に認識した…